Bリーグ2017-2018シーズンの開幕から1ヶ月が経過し、キングスは10試合をこなしました。
選手の過半数が入れ替わり、ヘッドコーチも替わった新生キングスは、一からチーム作りを行っており、現時点で6勝4敗と勝ったり負けたりを繰り返しています。
ここまでの戦いぶりを振り返って、攻撃面での物足りなさを感じています。具体的には、まずターンオーバーの多さ。そして、スリーポイントシュートや速攻が決まっている時間帯は良いものの、これらが決まらない時の攻撃の停滞感です。
キングスの攻撃の生命線はピック&ロールですが、私が最も心配しているのは、ガードとセンターのピック&ロールに対して対戦相手が対策をしてきており、それに対する打開策を打ち出せていないことです。
開幕直後はあれだけ気持ちよく決まっていたキングスのピック&ロールが、なぜ今、機能していないのでしょうか?
10月27日に行われた対千葉ジェッツ戦、第1Q 5:25のプレーを振り返りながら解説しようと思います。
攻撃開始時の陣形です。#14岸本と#30アームストロングのツーメンゲーム。
#14岸本にマッチアップする#2富樫(千葉)は極端にミドルライン寄りに位置しており、#14岸本をサイドライン側にドライブするよう仕向けます。
#30アームストロングにマッチアップする#21エドワーズ(千葉)はペイントエリア寄りに離れて守り、ピック&ロールのロール(ダイブ)に備えると同時に、#14岸本がドライブするスペースを埋めます。
#30アームストロングのスクリーンを使って、#14岸本がサイドライン側をドライブします。
前述の通り、#21エドワーズはロール(ダイブ)に備えると同時に、#14岸本がドライブするスペースを埋めていますので、キングスはピック&ロールをインサイドアタックの起点にすることができません。その間に#2富樫はファイトオーバー。
#30アームストロングはペイントエリア外で#14岸本からパスを受け、#33ブラウンに対してハイ・ローのパスを出したところでスティール。千葉の速攻につなげられました。
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対島根スサノオマジック戦の2連敗もそうですが、キングスのピック&ロールに対して、対戦相手はあの手この手を打っています。
キングスのインサイド陣に外角シュートの脅威があれば「ピック&ポップ」ということができるのですが、それが無いので、対戦相手はいわゆる「アイス」という防御法でキングスのインサイドアタックを封じています。
開幕からまだ10試合。
されど、60試合中の10試合。
キングスが今の戦術を貫くのであれば、早めに手を打つ必要があると感じています。